東京都は10月29日、プレコンセプションケアに関する企業向けオンラインセミナーの受付を30日午前10時に始めると発表しました。視聴は無料で、事前申込が必要です。配信は11月27日午前10時から2027年2月28日まで、申込期限はその前日の2月27日で、従業員のキャリアと多様なライフプランの両立を考える内容になります。

プレコンセプションケアは、性別を問わず、妊娠・出産を含む将来の生活設計や健康を考え、日々の健康管理に取り組む考え方として案内されています。企業にとっては、将来の予定が決まっている人だけを支援するのではなく、さまざまな選択をしながら働く人をどう支えるかを考える機会になります。

今回の企画は「キャリアとチャイルドプラン両立支援事業」の一環です。対象は都内企業の経営者、管理職、人事・労務担当者、従業員などで、視聴時間は1時間程度を予定しています。オンデマンド配信なので期間内に視聴する方式ですが、配信前から申込を受け付ける日程になっています。

きょう始まるのは申込みで、配信開始は11月

10月30日の朝に注意したいのは、受付開始と動画の公開が同時ではない点です。午前10時から申し込める予定ですが、配信開始は11月27日です。申込みを済ませた人も、視聴案内がいつ届くか、どの方法でアクセスするかを専用ホームページで確認する必要があります。

受付の終了と視聴の終了にも1日の違いがあります。2027年2月28日まで見られるから、その日に初めて申し込めるとは限りません。社内研修に組み込む場合は、申込期限を視聴期限とは別に共有しておくと、直前に参加できなくなる行き違いを減らせます。

第1部は、国立成育医療研究センター女性の健康総合センターの三戸麻子プレコンセプションケアセンター医長による基調講演です。第2部では浅野製版所とサニーサイドアップグループの取組を紹介し、都の事業も案内する予定です。現時点では実施前のため、講演内容や企業の発言を確定したものとして紹介することはできません。

視聴に必要な登録情報、端末の条件、配信の運用などは専用ページの説明が基準になります。無料という案内は、個別の検査や治療まで費用負担がなくなることを意味しません。今回確認したのは企業向けセミナーであり、医療行為の受診枠を募集するものではありません。

本人の選択を支えることが、職場の出発点

ライフプランは、妊娠や出産を望む人、まだ考えが定まっていない人、希望しない人など、多様です。企業が健康や両立について学ぶ際は、どの選択が望ましいかを会社が決める仕組みにしないことが大切です。情報の提供と、従業員の私的な予定を尋ねることは別の行為になります。

研修の案内を全員に届ける場合も、参加したことから個人の予定を推測しない運用が必要です。視聴した人に妊娠や治療の予定を説明させるなど、学習の目的を超えた確認を求めれば、参加そのものをためらう理由になり得ます。誰でも情報を得られる入口にすることが重要です。

管理職には、相談を受けたときにすべての医学的な判断を引き受ける役割はありません。仕事の調整が必要なのか、社内制度の案内が必要なのか、専門的な相談先を本人が探したいのかを整理する視点が役立ちます。健康に関する一般的な講演は、個別の診療や専門相談の代わりにはなりません。

本人がまだ詳しく話したくない段階でも、利用できる制度や相談先を知りたい場合はあります。制度の概要を確認するだけで個別事情の申告を求められると、情報を得るハードルが高くなります。人事担当者は、一般的な問合せと個別の申請を分けて案内できるかを点検したいところです。

両立の課題は、休暇の名前だけでは見えない

企業に制度があっても、繁忙期に休みを申し出にくい、急な予定変更に対応しにくい、上司によって説明が違うといった問題が残る場合があります。セミナーを受ける担当者は、制度の有無と実際の使いやすさを分けて考えると、企業事例から持ち帰る点を明確にしやすくなります。

仕事の引継ぎも重要です。一人にしか分からない業務が多ければ、本人は休むたびに負担を感じ、周囲も代わりの作業に困ります。手順の共有や担当の複数化は、特定のライフイベントだけでなく、病気、介護、災害などにも関係する職場の備えになります。

一方、将来の予定を理由に本人の希望しない配置転換や役割縮小を行えば、キャリアの形成を妨げる可能性があります。何を調整し、いつ見直すかを本人と話し、希望を記録して確認することが大切です。配慮という言葉だけで、会社側の判断を一方的に正当化しない姿勢が求められます。

企業事例は有益な材料ですが、その会社の制度をそのまま移せるとは限りません。人数、業種、勤務形態、顧客対応の時間帯などで必要な設計が変わります。紹介される仕組みの名称だけでなく、導入時の課題、相談の流れ、現場への説明をどう行ったかを見ることが役立ちます。

家計と生活時間への影響は個別に確かめる

仕事を調整する際には、休暇が有給か、勤務時間が変わると収入にどう影響するかなど、生活設計に関係する確認があります。無料のセミナーが始まることと、すべての従業員の給与や休暇条件が変わることは別です。本人が使える制度は、勤務先の規程と正式な案内で確認する必要があります。

家庭内でも、通勤、家事、育児、介護に使う時間は互いに影響します。健康について考える機会を、個人の努力だけを求める話に縮めないことが大切です。どの時間帯に負担が集中しているか、外部の支援を使えるかなど、生活の条件を具体的に整理する方法があります。

将来の計画が変わることもあります。一度相談した希望を永久に固定する扱いでは、本人が必要なときに説明し直しにくくなります。仕事と生活の調整は、その時点の希望と状況を確認して更新するものだという理解が、相談しやすい職場をつくる条件になります。

今回の公表から、セミナー受講により特定の健康上の結果が得られる、妊娠や出産の可能性が一定割合で変わるなどの効果は確認できません。そうした数字を付け加えることはできません。この記事では、健康への理解と職場の運用を学ぶ機会として位置付けます。

情報の取扱いは、支援の使いやすさと一体

健康やライフプランに関する情報は、共有範囲が広がるほど本人に負担を与える場合があります。上司、人事、同僚がそれぞれ何を知る必要があるかを整理し、本人の意向と社内のルールを確認する必要があります。業務の調整に必要な内容と、私生活の詳細を区別することが重要です。

小規模な職場では相談相手を選びにくいこともあります。その場合でも、相談の場所や時間を周囲に聞かれにくくする、制度の案内を誰でも読める形で置くといった工夫を検討できます。専門部署がないことを理由に、相談の入口そのものがなくならないようにする視点です。

社内で動画を共有して学ぶ場合は、視聴権限や利用条件を確認する必要があります。申込者向けの配信を、許可なく録画して社内サイトに載せてよいとは限りません。主催者の説明に従い、必要な人が正規の方法で申し込めるように案内することが基本です。

専用ホームページでは、不妊治療や卵子凍結などの情報、セミナー動画、企業インタビューも発信すると案内されています。それぞれの情報は対象や目的が異なるため、ひとまとまりの義務や推奨として受け取らず、自分が確認したい制度や課題を選んで読むことが役立ちます。

続報では、30日午前10時の受付開始、11月27日の配信開始、視聴方法や内容の更新を確認します。予定どおり開始されたかは、その時点の公式ページで確かめる必要があります。この記事の作成時点は受付開始前であり、申込受付済みや動画公開済みとは記しません。

事例を見る前に、自社の相談経路を確かめる

受講前に現在の就業規則や社内案内を確認しておくと、講演を具体的な課題と結び付けやすくなります。制度がどこに書かれ、誰へ尋ねればよいかを担当者自身が説明できるかが確認点です。資料はあっても見つけにくい状態なら、案内の方法を変えることから始められます。

研修の成果を確認するときも、従業員の私的な予定を集める必要はありません。制度の情報にたどり着けるか、相談の手順が分かるかといった運用を点検する方法があります。支援したいという目的と、会社が知る情報の範囲をそろえることが大切です。

配信期間が長いことは、担当者の交代や繁忙期を避けた学習にも使える条件になります。ただし、長期だから後でよいと考えると申込期限を過ぎる場合があります。社内で周知する際は、登録する日と視聴する日を分けて予定を立てることが役立ちます。

出典:東京都産業労働局「プレコンセプションケアに関する企業向けオンラインセミナーの申込受付を開始」(10月29日公表)。https://www.metro.tokyo.lg.jp/information/press/2026/10/2026102909
写真は職場での学習・協働のイメージで、登壇企業や受講者の写真ではありません。

まとめ
企業向け無料セミナーは30日午前10時に申込みを始め、11月27日から配信する予定です。申込期限と視聴期限を分けて確認し、健康や将来の希望を本人が選べる職場づくりに生かすことが大切です。