イラン軍のアブドラヒ参謀総長は、米国が準備する新たな経済制裁に対し「壊滅的」な対応を取ると警告しました。 陸・海・空・防空・サイバー空間で即応体制を維持していると主張し、武力による報復を辞さない構えを見せています。米国側は24日に史上最も厳しい制裁の詳細を公表する予定で、軍事と経済の両面で圧力を強めています。
何が起きたのか
アブドラヒ参謀総長は8月21日、国営通信を通じて、トランプ米政権の対イラン制裁に対し「壊滅的な対応」で立ち向かうと述べました。イラン国営メディアの伝えでは、「陸、海、空、防空、サイバー空間にわたる備えにより、イラン軍は敵の新たな脅威に対して、壊滅的で懲罰的、そして破壊的な対応で応じる」としています。
背景には、ベッセント財務長官が20日に示した方針があります。米国はイラン指導部の打倒を狙う「史上最も厳しい制裁措置」を講じるとし、24日に詳細を明らかにする予定です。ベッセント財務長官は海上封鎖と新制裁を「ワンツーパンチ」と位置づけ、政権の崩壊を目指す圧力キャンペーンだと説明しています。
米側の出方
トランプ大統領は21日、記者団に対し、イランは経済的な苦境に陥っていると指摘しました。「(イランは)取引をしたいが、まだ適切な取引をする準備ができていない」と述べ、交渉と圧力の両面を維持する姿勢を示しています。
先にトランプ大統領は、イランに何らかの「救命策」を提供する国・機関には甚大な経済的影響が及ぶと警告していました。ベッセント財務長官はCNBCの取材で、最大限の経済圧力をかけるなら大規模な軍事行動の再開は起きにくい、との見方も示し、経済戦を前面に出す意図がうかがえます。ただし、イラン側は軍事的な報復も示唆しており、どちらが先に動くかは不透明です。
イラン国内の反応
ガリバフ国会議長は、米国との仲介交渉の首席交渉官でもあります。21日、隣国イラクでの講演で、米国は直接の軍事衝突では勝てないと結論づけ、経済戦と「認知」戦に訴えていると指摘しました。「不当な制裁を克服できるよう、対処計画を立てなければならない」と述べ、イラクとの経済結びつき強化や自国通貨決済で米ドル依存を減らすよう呼びかけています。
一方、20日には国営メディアで「どれほど軍事力を持っていても、国民が飢え、経済成長がなければ生き残れない」とも述べ、制裁への警戒を示していました。ペゼシュキアン大統領は21日、「世界がイランの勝利を認めている以上、戦争を終わらせるべきだ」と訴え、対話の必要性にも触れています。
イラン外務省は、米国の経済・貿易制裁を「経済テロ」と批判し、独立と主権を守る決意は揺らがない、との立場を繰り返しています。
ホルムズ海峡と交渉
原油輸送の要衝であるホルムズ海峡をめぐる協議も続いています。オマーン国営メディアは21日、イランのアラグチ外相とオマンのバドル外相が電話協議をしたと報じ、米国とイランの協議再開や海峡の航行をめぐって意見を交わしたとされています。軍事的な威嚇と外交の接触が並行する、いつもの中東の緊張構図です。
日本への含意
イラン産原油の流通がさらに狭まれば、スポット価格や海上保険、迂回航路のコストに影響が出やすくなります。中国はイラン産原油の主要な買い手とされ、追加制裁が中国向けの経済圧力に及ぶかどうかも市場の注目点です。ホルムズ海峡周辺で偶発的衝突や通航制限が起きれば、日本のエネルギー輸入と物価に直結します。
まとめ
イラン軍は米国の新制裁に「壊滅的」対応を警告し、武力報復も示唆しました。米国は24日に史上最も厳しい制裁の詳細を公表する予定で、経済圧力を最大化する構えです。軍事と制裁、交渉の三本柱が同時に動いており、News.comは続報を追います。
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